第1話〜第18話

支配者・董卓に、曹操、劉備ら反董卓軍が決起。
最強の武将・呂布は裏切りの果てに処刑される!
後漢末期、校尉の曹操は、独裁政権を築いていた董卓の暗殺を試みるが失敗に終わり逃走する。辛くも故郷へと辿り着いた曹操は兵を集め、袁紹率いる反董卓軍に参加。そこには、劉備、関羽、張飛もいたが、身分の低い3人は冷ややかな目で見られていた。しかし、董卓の養子で、圧倒的な武力を誇る呂布に、劉備、関羽、張飛の3人が立ち向かい、反董卓軍を勢いづかせるのだった。激戦が繰り広げられる中、董卓は献帝に長安遷都を強制し、洛陽を焼き払って逃走する。董卓を洛陽から追い払ったと祝う反董卓軍の者たちを見て、曹操、劉備、孫堅らは失望し、反董卓軍は空中分解してしまう。長安でも悪事を働き続ける董卓に対し、朝廷の重臣である王允が、呂布と董卓に歌伎の貂蝉が見初められたことを利用し、“美人の計”と“離間の策”を合わせた“連環の計”を実行。呂布に董卓を葬らせることに成功する。機に乗じて曹操は献帝に許昌遷都を提案。献帝を影で操り、勢力を拡大していく。一方、董卓を殺した後、各地を転々としていた呂布は、劉備から徐州を奪って支配していた。しかし、計略に疎く、人を束ねる力のない呂布は、部下たちに捕らえられ、曹操によって処刑されるのだった。
見所
最強の武将として語り継がれる呂布の物語が、第18話までの最大の見どころと言えるだろう。赤壁の戦いにおける“連環の計”と区別するために“美女連環の計”とも呼ばれる策略によって、呂布は董卓を殺害することになる。王允が養女の貂蝉を使って呂布を騙したわけだが、本作では貂蝉が本当に呂布を愛してしまう。悪役として描かれることの多い呂布の悲恋が、本作をドラマチックに盛り上げている。
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第19話〜第32話

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袁紹率いる70万の大軍を7万の曹操軍が迎え撃つ、
天下分け目の大合戦“官渡の戦い”が勃発
曹操に辛酸をなめさせられ続けている献帝は、劉備に漢再興を託す。劉備は袁紹と組んで曹操との決戦に臨むが、前哨戦に敗れ、張飛ともはぐれて単身袁紹のもとへと逃げのびる。曹操は、関羽をおびき寄せて配下にしようとするが、関羽の劉備への忠誠心に心打たれることになる。関所を次々と破り、張飛のいる古城へと辿り着いた関羽。さらに劉備も駆けつけ、義兄弟は再会を果たす。一方、袁紹は70万の大軍を率いて曹操との決戦の地、官渡へと向かう。曹操は意外にも和平を申し出るが、それは時間稼ぎのための策略だった。知らぬ間に包囲されていた袁紹軍は弓矢攻撃で壊滅状態に追い込まれ、わずか7万の曹操軍に大敗を喫する。劉備軍も曹操軍の攻撃に遭い、やむなく荆州の劉表のもとに逃げこむ。劉表とその息子の劉琦との絆を深める劉備だったが、劉表配下の蔡瑁に命を狙われる。命からがら逃げのびた劉備は徐庶という男と出会い、無事に関羽らのいる新野へと辿り着く。
見所
前半最大の見どころとなるのは、やはり袁紹と曹操による官渡の戦いだ。大勢のエキストラを使ったリアルな戦いにCGを加えた映像は、中国のテレビドラマの常識を覆す迫力を持っている。また、泣く泣く曹操に仕えていた関羽が、赤兎馬を駆って劉備のもとへと走る“単騎千里を走る”のエピソードは感動的なシーンとなっている。

第33話〜第42話

天才軍師・諸葛亮が“三顧の礼”で劉備のもとへ。
劉備・孫権の連合軍が曹操軍に立ち向かう
徐庶は優れた軍師だったが、曹操の罠にかかってしまい、去り際に諸葛亮を劉備に推薦していく。劉備は孔明のもとを訪ねるが、二度も空振りに終わり、ようやく三度目に対面を果たす。劉備と諸葛亮は天下について語り合い、孔明は劉備に仕えることになる。江東では、孫堅の後継者だった孫策が暗殺され、弟の孫権が君主となっていた。曹操に恐れをなして降伏をすべきだという者と徹底抗戦を訴える者とに分かれていたが、孫権が最も頼りにしている周瑜が抗戦を唱えたため、孔明からの同盟の申し出を受け入れる。孫権・劉備の同盟軍は曹操軍の大軍と決戦の地、赤壁で相まみえる。周瑜が曹操からのスパイを利用して反撃したり、孔明が曹操軍の10万本の矢を奪ったりと、同盟軍は曹操軍を苦しめ、老将黄蓋による“苦肉の策”で曹操軍を焼き払うことに成功。同盟軍が勝利する。逃げ出した曹操を関羽が追いつめるが、曹操に恩のある関羽は義により見逃がすのだった。
見所
「三国志」最大の戦いである赤壁の戦いは、本作の中でもクライマックスと言える盛り上がりを見せる。特に、10数分に及ぶ火攻めのシーンは注目だ。また、趙雲が曹操軍から劉備の息子である阿斗を救出する長坂の戦いも、人気エピソードのひとつ。白馬に乗って孤軍奮闘する趙雲の勇姿が、激しいアクションで表現されている。
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第43話〜第57話

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才人・司馬懿が曹操に見出されて大出世。
周瑜は、荆州をめぐり打倒劉備・孔明に燃える
曹操は司馬懿の才能を高く買い、息子の曹沖の補佐につけるが、曹沖は何者かに毒殺される。荆州をめぐって、周瑜、劉備、曹仁による争奪戦が起こるが、周瑜が曹仁を倒している間に、荆州は劉備のものとなった。荆州を取り戻すつもりの周瑜は、孫権の妹を餌に劉備をおびき寄せるという作戦を立てる。縁談を持ちかけられた劉備は、孫権との同盟をより強くできると考え、荆州を孔明にまかせて江東へと向かう。何も知らなかった孫権と皇太后は周瑜を叱責するが、大勢を考慮して周瑜の計画を採用することにする。劉備を罠にかけるはずが、孫権の妹の小妹は劉備の心意気に感動し、本当の夫婦となる。周瑜は豪華な生活で劉備を堕落させる作戦へと変更するが、劉備は趙雲とともに脱出。周瑜は軍を引き連れて戦いを挑むが、孔明の巧妙な作戦の前に敗れ去る。病を悪化させた周瑜は、孔明が自分と同じ時代に生まれたことを嘆きながら、息を引き取るのだった。
見所
赤壁の戦いが終戦した後も激しい勢力争いは続く。連合軍として共に戦った孫権軍と劉備軍だが、孔明に対する周瑜の敵対心は強く、同盟は名ばかりの状態。周瑜の執念深い謀略と攻撃が中盤の見どころと言えるだろう。そして、史実にはほとんど残っていないが、孫権の妹である孫小妹(孫尚香)も本作では孫権と劉備の争いの鍵を握る人物として物語を華やかに彩る。

第58話〜第73話

三つ巴の戦いが激化し、関羽が討ち死に。
魏では、曹操が病に倒れ、曹丕が後継者となる
曹操に父の馬騰を殺された馬超は、西涼軍を率いて潼関に攻め入る。曹操は自ら兵を率いて出陣するが、緒戦は大敗。その後は一進一退の攻防が繰り広げられる。馬超の陣営では戦局をめぐって議論が行われたが、韓遂が和平を提案。曹操と長い会談をしたことで、馬超の心に韓遂への猜疑心が生まれる。その隙を狙って、曹操は西涼軍を破り、西涼を奪い取る。馬超は張魯に助けを求めて逃げ込み、曹操軍が大勝する。張魯は馬超に3万の兵を与え、劉備を攻めさせる。馬超の凄まじい戦いぶりに手を焼いていた孔明は策を巡らせ、張魯と馬超を仲違いさせ、馬超を劉備の配下とすることに成功する。一方、荆州奪回を目論む孫権は、呂蒙を送り込んで関羽と戦わせる。関羽の部下たちが全員討ち死にすると、関羽は毅然として自ら命を絶つ。孫権から関羽の首を受け取った曹操は手厚く葬るが、その時曹操も不治の病に冒されていた。曹操は曹丕を後継者に任命し、志半ばで死去する。
見所
劉備に対する敵役として描かれることの多い曹操。本作では逆に中心人物となっているため、曹操の後継者争いもしっかりと描かれている。曹植と曹丕の争いに司馬懿がどう関わっていくのか、後継者争いがスリリングに展開する。そして、中国では神格化されている人気キャラクター、関羽の死も局面を大きく揺るがす。さらに曹操も亡くなり、いよいよ物語は終盤へと向かう。
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第43話〜第57話

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魏蜀呉の三国が立て続けに建立され、三国時代へ。
呉との“夷陵の戦い”でついに劉備が力尽きる
曹植との後継者争いに勝利した曹丕を皇帝にするべく、司馬懿は献帝に禅譲を迫る。献帝は泣く泣く詔書を記して去っていくが、献帝の乗った船は沈没してしまう。曹丕が漢を滅ぼして魏を建国したと知った劉備は激怒。対抗するように蜀を建国し、自ら初代皇帝となる。まず劉備は孫権との戦いを掲げるが、趙雲と孔明に止められる。戦いが延期されて鬱憤のたまった張飛は部下に当たり散らし、我慢できなくなった部下に殺される。その部下が孫権のもとに身を寄せたため、劉備は70万の大軍を率いてついに攻撃を開始する。呉を建国して皇帝となった孫権は陸遜を大都督に任命。陸遜は隙をついて劉備軍を火攻めにして大勝する。劉備は白帝城に退き、力尽きる。劉備は臨終の際、孔明を呼び寄せて息子の劉禅のことを託すが、劉禅が仕えるに値しない場合は孔明自らが皇帝となって国を率いるようにと言い残す。孔明は劉備の言葉に感動し、皇帝に即位した劉禅を補佐する。
見所
魏、呉、蜀の三国が建国されるが、争いは収まらず。関羽と張飛を失ったことに対する怒りと悲しみに我を忘れた劉備が、呉を攻め立てる。この夷陵の戦いは、勢力争いというよりも、義兄弟の弔いという感情的側面が強く、他と比べてもドラマチックな戦いとして描かれている。曹操に続いて劉備も力尽きたことで、戦いは孔明対司馬懿の様相を呈していく。

第58話〜第73話

孔明と司馬懿が繰り広げる宿命の対決。
長きに渡った三国時代に司馬一族が終止符を打つ
曹丕が病で死去し、曹叡が即位すると、曹真、曹休らは邪魔な司馬懿をことあるごとに糾弾し、権力を剥奪する。成都では、孔明が劉禅に“出師表”を上奏し、北伐に打って出る。孔明は魏との戦いの要所になる街亭の守備に、才能を高く評価していた馬謖を任命する。しかし、馬謖が孔明の指示を無視したために、全軍撤退を余儀なくされ、孔明は泣いて馬謖を斬る。趙雲死去の知らせを聞いた孔明は嘆き悲しむが、再度魏の討伐を始める。孔明は大都督に復帰した司馬懿と知略を駆使した戦いを繰り広げる。一度は孔明の火攻めに司馬懿が降伏を決意するが、その時豪雨が降ってきて救われる。大病を患っていた孔明は五丈原で亡くなり、蜀軍も漢中に撤退する。司馬懿は、曹叡の後、権力を握った曹爽を反逆者だと郭皇太后に訴え、魏の実権を握ることに成功。その後、司馬一族は蜀を滅ぼし、司馬懿の孫である司馬炎が晋を建国。呉を滅ぼして、ついに三国統一を果たすのだった。
見所
司馬一族が三国統一を果たした勝者であるという歴史的事実を覆すことができないが、人気のある孔明の活躍は最後まで描かれる。孔明の死の知らせを聞いて総攻撃を仕掛けた司馬懿が、死んだはずの孔明の姿を目撃して逃げ出す。しかし、実は孔明の木像だった……という「三国志演義」で有名なエピソード“死せる孔明、生ける仲達を走らす”が本作でも描かれている。
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