目次に戻る

兄の遺志を継ぎ、江南江東を制覇した呉の皇帝


182年〜252年。呉郡富春県出身。字は仲謀。父・孫堅の跡を継いだ兄・孫策が200年に26歳の若さで暗殺されたため、19歳の孫権が後継者となる。孫策の盟友であった周瑜を都督とした孫権は、208年に父の敵である黄祖を撃破。曹操が宣戦布告してくると、降伏を促す文官たちをたしなめ、周瑜、魯粛ら抗戦派の意見を聞き入れる。劉備と同盟を結び、赤壁の戦いで見事曹操軍を相手に勝利を飾る。209年には、妹の孫小妹を劉備に嫁がせるなど同盟を強固なものとするが、後に荆州をめぐって争うこととなり、関羽を討つ。関羽の復讐に燃える劉備を夷陵の戦いで破り、222年に独自の元号を建て、229年に皇帝の座に就く。252年まで長生きした孫権だが、有望な後継者に恵まれず、呉も280年に滅亡する。孫策が死に際に「戦では私に及ばないだろうが、優れた人材を見抜き、国を統治することに関しては、私はお前に及ばない」と言い遺したと言われている。主要登場人物の中では最も若い孫権であるが、孫策の言葉通り、優れた君主に成長を遂げる。本作でも孫策と孫権の兄弟愛は描かれている。
profile
1982年生まれ。北京の中央戯劇学院を卒業後、数多くのテレビドラマに出演。端正な容姿を活かして、モデルとしても活躍する。近年では、浅田次郎原作のNHKドラマ「蒼穹の昴」で田中裕子と共演。光緒帝役を演じて、日本でも注目された。

知恵と武力を兼ね備えた才能豊かな名将


175年〜210年。廬江郡舒県出身。字は公瑾。同い年の孫策とは若い頃から固い友情で結ばれ、“江東の二喬”と呼ばれた美人姉妹の大喬を孫策が、小喬を周瑜が妻とした。孫策亡き後は、弟の孫権の配下となり、軍を指揮。208年に黄祖討伐に成功する。さらに、曹操が侵略してきた際には徹底抗戦を主張。降伏を装った黄蓋が曹操軍へ火を放つという作戦を成功させ、赤壁の戦いで勝利を収める。その後、江陵に攻め入り、曹仁を撃破。さらに馬超と手を組んで曹操を追いつめようとするが、病に倒れ、210年に36歳で死去した。美しい外見から“美周郎”と呼ばれ、音楽にも精通。知略、武力も備えた名将であった。しかし、「三国志演義」では諸葛亮に翻弄される、狭小な度量の人物として描かれており、「天はこの世に周瑜を生みながら、なぜ諸葛亮をも生んだのか」と嘆きながら最期を迎える。今回のドラマでは、比較的史実に近い、男らしく堂々とした周瑜として描かれている。映画『レッドクリフ』でも周瑜が主役であったように、現代では周瑜の人物像が見直されつつあるようだ。
profile
1971年台湾生まれ。主に台湾のテレビドラマで活躍しているが、2005年には中国のドラマ「京華煙雲」に出演。08年には、漢の宮廷を舞台に愛憎渦巻く様を描いた「クィーンズ 長安、後宮の乱」で主人公の相手役を演じて注目を集めた。